2009年女子ツアー、獲得賞金金額の格差広がる [ツアー記録]
さて、またまた調子に乗って、2009年のツアーを振り返り、データ解析の結果を少しずつお伝えしていきたいと思います。
今回は、2009年日本女子ツアーの獲得賞金金額の分布に注目しました。今年は、さくらちゃん、しのぶちゃん、智恵ちゃん、ミジョンさんと、4人もの1億円プレーヤーが誕生しました。その分、下位選手の取り分が少なくなり、格差が広がっているのではないかという仮説です。
それを実証するために、ジニ係数というのを出してみました。ジニ係数とは、所得分配の不平等さをはかる指標でして、0に近いほど格差が少ない状態で、1に近いほど格差が大きい状態です。日本では厚生労働省が2~3年おきに調査していますが、2005年の値は0.32ぐらいで年々上昇しており、格差が広がる傾向にあります。
そこで過去10年間の日本女子ゴルフツアーの各選手の獲得賞金をもとにジニ係数を算出してみましたところ、グラフのようになりました。いずれの年も0.8以上と、日本の平均に比べはるかに高いです。そして2009年はこの10年間で最も高くなりました。
このように、ゴルフ界は一部の強い人が賞金を独占する、実力本位の厳しい世界であるといえます。特に2009年は34試合中、さくらちゃん、しのぶちゃん、智恵ちゃん、ミジョンさんで計22勝をあげています。下のグラフは、過去5年間のTOP10の選手の全獲得金額に占める賞金金額の累積比率を表したものです。横軸に1位、2位~10位までの選手、縦軸に賞金金額累積比率をとっています。
これをみると、2009年(グラフの一番上)は、TOP10の選手だけで、賞金総額の約40%を占めていることがわかります。一部の選手だけで賞金を独占してしまう傾向が強まったということです。それに対し2008年(グラフの一番下)は、TOP10の選手で賞金総額の約33%と低くなっています。開幕から17試合連続して、優勝者が異なっていたことが、この結果を物語っています。
このように格差が広がった2009年でしたが、来年はトップ選手の活躍とともに、すべての女子プロゴルファーの皆さんの活躍を期待したいです。
ブログランキングに参加しています。よろしければ下のボタンをクリックしてください。
すべての記事にタグを付けました。下のタグをクリックしていただければ、関連する記事が表示されます。
こんばんは。
昔はゴルフが上手なお嬢様がプロになりました。
今は子供の頃から競技スポーツとして切磋琢磨してプロになります。
実際 坂田塾生と彼女らと競った選手ばかりですもんね。
これからもbefore坂田塾とafter坂田塾の選手の格差は埋まらないでしょうね。
by キャロ (2009-12-05 01:15)
おはようございます
男子と明らかに違うのは
トップ10のうち最年長がイ・チ・ヒ選手の30歳という
年代での格差もありますね
若い選手のパワーに圧倒されてしまった感はありますね
by naokun (2009-12-05 08:27)
ゴルフの賞金の配分って差が凄いありますね。優勝賞金と賞金総額の割合が凄いなっと思います。でもコンスタントにTOP10に入ることも大事ですね。
by マックス (2009-12-05 08:53)
キャロさん、こんにちは。
そうですね。藍ちゃんとさくらちゃん、桃ちゃんとしのぶちゃん、智恵ちゃんと江里菜ちゃんなど、みんなジュニアの時代から競い合ってきた選手が上位で活躍していますね。
美保さんなど、昔は野球をやっていたとか、別のスポーツをやっていたのは少数派というか、なかなか上位に来られないですね。
江連さんの山梨校開校に象徴されるように、今後ジュニアの育成がもっと進んで、この傾向はますます強まるでしょうね。
2016年のオリンピックでは、今の小中学生中心のチームになるかもですね。
by ながぐつ (2009-12-05 09:27)
naokunさん、こんにちは。
そうですね。男子では40代でも第一線で活躍しているのに、女子は世代交代の波が大きいですね。上に書いたように、やはりジュニアから活躍した選手の台頭が著しいことも一因と思います。
斉藤裕子選手のようにアラフォー世代も、頑張って欲しいものです。
by ながぐつ (2009-12-05 09:33)
マックスさん、こんにちは。
そうですね。優勝した選手は少なくとも1000万以上、2位だとその半分、下位だと数10万しかもらえないし、そもそも予選通過できないとゼロですからね。
1年間ツアーに参加するための必要経費は約700万円だそうです。シードをぎりぎり取った選手で、獲得賞金金額約1400万円ですから、実質年収700万、選手寿命から考えると、割の良い商売じゃないですね。
それに引き替え、トップ選手は1億円以上稼ぎ、スポンサーもつきますから、年収は雲泥の差だと思います。
by ながぐつ (2009-12-05 09:41)
必要経費 700万円ですか。
予選通過ぎりぎりのプレーヤーだと確実に
プロになるまでの自分への投資を回収できませんね。
練習場のレッスンプロも そんなに稼ぐことはできないそうですし。
by MEJINA (2009-12-05 11:37)
厳しい世界ですね~!桃ちゃんを始め、日の目を見るのはほんの一握りの選手のみ…明るく盛り上がる女子ゴルフ界の影には何百人という選手が日々、明日の桃ちゃんを目指し励んでいると思うと…考えさせられます…私も頑張らねばっ!
by チャナ (2009-12-05 19:58)
実力の世界ですからこればかりはしょうがないですね。
最近の女子ゴルフの経済効果はどうなんでしょうね。
スポンサーが多いってことは宣伝効果はあるのでしょうけど。
by hideta (2009-12-05 20:58)
MEJINAさん、コメントありがとうございます。
MEJINAさんとながぐつは、同世代みたいですね(*^_^*)
そうですね。プロになるまで、どれだけのお金がかかるんでしょうか?
桃ちゃんも、高3の冬に江連アカデミーに弟子入りしたときに、両親に迷惑かけまいと、最初はボロアパートに住んでいましたね。今稼げているから良いものの、そうでない人もいっぱいいるから、桃ちゃんは恵まれていますね。もちろん本人が他の人より努力した成果ですけれども・・
by ながぐつ (2009-12-05 21:03)
チャナさん、コメントありがとうございます。
そうですね。LPGA会員の女子プロゴルファーは何人いるのかはわかりませんけれど、今年のプロテストで22名合格しているので、相当な数ですね。その中で、それなりに食べていけるのは50人ぐらいですからね。
みんな桃ちゃんを目指して頑張ってもらいたいけれど、年間賞金総額30億ぐらいでしょうか。結局これのぶんどり合戦ですからね。厳しい世界です。
by ながぐつ (2009-12-05 21:11)
hidetaさん、コメントありがとうございます。
経済効果ですか。どれくらいでしょうね。トーナメントに足を運んでくれる人で延べ50万人ぐらいでしょうか。入場料1回2000円としたら、10億円ぐらいですね。トーナメントの賞金総額が30億円ぐらい。TVの放送権料はどれくらいなんでしょう。
あと、スポンサーですね。桃ちゃんは、ソニーとの契約は3年3億円、キャロウエイとは3年1.8億円だそうですが、両社とも、それ以上のPR効果がなければ、契約しないってことですよね。ちょっと想像がつかないですね~(*^_^*)
by ながぐつ (2009-12-05 21:20)
プロゴルファーでトーナメントの賞金だけで生活できる人は一握りですよね、シード権とってもぎりぎりの選手は生活考えたら充分とはいえないですからね。さくらちゃんじゃないけどキャンピングカー生活もうなずけますね。
桃ちゃんが稼げるスポーツって選んだのはトップに行くって自信有ったのかな?
by eishi (2009-12-06 09:57)
eishiさん、コメントありがとうございます。
おっしゃるとおりと思います。まあ、ゴルフに限らず、スポーツ選手と芸術家は本職で食っていけるのはわずかですけれども。
さくらちゃんは、キッチンカーでなかったでしたっけ? 専門の調理師さんをつけて、3食偏らない食事をしてるとか。それも年間1億以上稼いで、スポンサーもついているからできるのであって、シード権ぎりぎりの選手には専属キャディーすらつけられるかどうかというところでしょうね。
by ながぐつ (2009-12-06 22:48)
ながぐつさん、こんにちわ
良い記事なので楽々のブログでもご紹介させて頂きます。
それにしても専門的ですね。
by 毎度楽々 (2009-12-12 15:45)